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未来への道(5) 気が付くと同時に感じた鈍い痛みに小さく呻き声をあげて、ゆっくりと目を開いた。 右を下にして転がされていたので、右肘を突いて身体を起こし、辺りを見回す。手は後で縛られていて、外そうとして動かすものの、少しも解ける気配はない。 石畳で暗い床の上に座り込んでいる状況で、そこまで広くはない部屋の中、木製の扉が一つだけついていて、当然というか何と言うか、しまっている。後を振り返ってみるが、壁があるだけで窓もついておらず、外を見ることも出来ない。 立ち上がろうとして、先程殴られた腹部の痛みに、リクは眉を顰めた。 最悪だ、と思う。 今日から護衛もいなくなる、という事で最初は友達と話してから帰ろうかと思ったのだが、マークを中心にゲームをはじめる事になってしまった。 それを始めると中々帰れなくなることが分かっていたので、多分今日も早く帰ってくると勝手に思い込んでいるだろう兄貴のことを一瞬だけ考えて、悪いけど先に帰る、と言って帰ることにしたのだ。 まあ、理由の一つには、ユフィが話しかけたそうにしていたのだが、その前のマークとの会話を思い出してしまい何となく気まずい気分になって、逃げ出してきてしまったというのもあるのだが。 ともかく、一人大通りを歩いて行き、どうせなら兄貴の所に寄ってやるかと、近道にあたるその裏路地に入ってしばらくしたところで、男たちに囲まれたのだ。 露出した腕に『pike』と掘り込まれているのに気がついて、一瞬、どうしようかと迷ったのがいけなかったか。腕を掴まれて、振り払って逃げようとした所に腹部を殴られ、首に手刀でも入れられたか。咳き込んでいるところに衝撃が加わって、意識をなくした。 ということは、彼らが兄貴の言っていた“客”ということなのだろう。 兄貴と一緒に居た俺の顔を覚えて、そして捕まえたのか。 しかし、どうしてなのかが良く分からない。 『鷹目』に喧嘩でも売るつもりなのだろうか。もしくは、何か取引の材料にでもするつもりか。 ともかく、今この時点で殺されていないということは、妙な反抗さえしなければ、多分、命だけは保証してもらえるだろう。 まあ、俺の必要がなくなれば殺されるかもしれないが。 無理矢理に立ち上がって木製の扉についていた小さな鉄格子から少し背伸びをして外を覗き、見張りが一人、椅子に座っているのを確認した。そして、短い廊下のようなところの先に、もう一つ扉があるのも見える。数段の階段がその扉の前にあることから、半地下のようなところにこの部屋はあるのかもしれない。最初から、誰かを捕まえて置く為のところか。 見張りは眠っているらしいが、彼の腰に鍵が付いているのが見える。ここからじゃあ、どうしようもない。 そもそも、両手を後に縛られた状況では、何かしようとしても出来ないじゃないか。 兄貴のように暗器があるはずもないし、このロープを解く事も出来ない。 小さくため息を吐いて、どうしようか、と少しだけ考える。 はっきり言って、自分に出来る事はない。 まあ、あの兄貴のことだから「リクの帰りが遅いっ!」とか何とか言って騒ぎ出すのも時間の問題だろう。ただ、もしジャンが『矛』側なのだとしたら、適当にあしらわれてしまうかもしれない。 まあ、彼が『矛』の人間と話していたからといって、向こう側についているとは限らないのだが。 それだけじゃない、ナギが騒いだところで『鷹目』は動いてくれるのか? 続 |
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